しつこい咳は実に厄介ですね。咳のせいで眠れない、息が苦しいなどはもちろんですが、最近は人が集まる場所で気にされてしまう(患者さんだとデイサービスなどで白い目で見られてしまう・・・など)という問題もあって精神的にも辛いものがあります。
対応はもちろん患者さんごとによりますし、やはり咳の原因として何か悪いもの(肺炎・気管支炎・癌・喘息・COPDなどなど)が無いかはしっかりと見極めて治療が必要となります。その上で、咳止め薬を使用していくことになると思います。
咳止め薬としては下記のようなものがあります。
・中枢性非麻薬性鎮咳薬(アスベリンやメジコンなど)
→風邪やインフルエンザなどでも出されることが多い一般的なお薬と言えると思います。小児科などでも出されたことがある方がいるかもしれません。
・中枢性麻薬性鎮咳薬(コデインリン酸など)
→文字通り「麻薬性」のため強力な効果があります。どうしても収まらないひどい症状に一時的に用いられることがあります。
・抗ヒスタミン薬(アレグラ、アレロック、ポララミンなど)
→アレルギー性のメカニズムで生じる咳に良く効きます。花粉症の薬として使われる薬が咳にも効くことがあります。
・ロイコトリエン受容体拮抗薬(シングレアなど)
→こちらもアレルギー性のメカニズムで生じる咳に効きます。気管支喘息で使われる薬です。
・P2X3受容体拮抗薬(リフヌア)
→2022年に承認された新しいお薬です。どうしても治まらない「難治性」の咳を鎮めてくれる効果があります。
まだまだ他にも咳に対して効く薬はありますが、これくらいのご紹介に留めておきます。つらい症状は我慢せずにかかりつけの先生にご相談してみて下さい。
なお、紅茶やハチミツなども咳を鎮める効果があると言われています。風邪が治った後に長引くちょっとした咳に悩んでいる方などは優雅なアフターヌーンティで咳対策をしてみるのも良いかもしれません。
今年も各所で桜が綺麗でした。桜の皮にも咳を鎮める効果があるそうです(桜皮エキスとして実際薬にもなっています)。
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