パーキンソン病について

脳神経内科情報

「パーキンソン病」はざっくり言うと高齢者の100人に1人ぐらいがなってしまう病気ですが、まだまだ分かりにくく、難しい病気というイメージを抱く方も多いと思います。ごく簡単にパーキンソン病について解説してみます。

【パーキンソン病とは?】

手足の動きがスムーズでなくなり、転びやすくなる病気です。

【原因は?】

まだ完全には解明されていませんが「アルファ・シヌクレイン (α-synuclein)」という謎のタンパク質が神経細胞に蓄積することが関係するかもしれないと言われています。なぜそのタンパク質が蓄積するのかは、遺伝的要因や、環境要因など様々なことが関連すると言われています。

【治るの?】

ドーパミン製剤(L-dopa:エル・ドーパ)という薬を飲むと良く効くのが特徴で、身体の動きがスムーズになります。ただし、永久に効果があるわけではなく、副作用を起こすこともあるので、他にもドパミンアゴニストという薬など様々な薬を組み合わせる必要が出てきます。

【身近な高齢者の方の身体の動きが悪いのですが、パーキンソン病ですか?】

パーキンソン病と確定診断するのは簡単ではありません。年齢による影響や、腰椎ヘルニアなど様々な疾患、飲んでいる薬の副作用などがパーキンソン病「のような」症状を起こすことがあり注意が必要です。神経内科専門医に受診してしっかり診断してもらってから治療に進むことをお勧めします。

【似たような病気が色々あると聞いたのですが?】

実は、パーキンソン「症状」を起こす病気は複数あって、その中の一つがパーキンソン病です。代表的なものだと進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、脳血管性パーキンソニズム、多系統萎縮症などもパーキンソン症状を起こします。

「手足の動きが悪くなってきていて、私はパーキンソン病でしょうか?」などと心配される患者様が時折いらっしゃいます。まずは身近な神経内科専門医にしっかり診察・検査・診断してもらうのが良いと思います。

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